開発ストーリー

これまで金庫のドアなど、特殊なぶ厚い金属製のドアとして120分耐火を実証した製品はございましたが、この度当社は内装用ドアとして初めて120分耐火の防火戸の認定取得※に成功しました。また耐火性の他に、ドアとドア枠のセットで遮音等級T3という高い遮音性能も同時に実証することに成功した、画期的な製品の誕生です。

見た目はこれまでの内装ドアと変わらず、木の高級感はそのままに、次世代の安全基準にいち早く適合した当社の新製品は、皆様の守らなければならない命、そして守らなければならない物を火災から守る心強い製品です。

日本初 120分防火戸への挑戦

当社は平成21年よりシンガポールに進出して、防火戸と一般ドアの輸入・取付工事を行っておりますが、それより遡ること1年前に、イギリスのマンチェスターと、シンガポールの認定試験場において、日本のメーカーとしては当時初めてであった1時間耐火の防火戸の認定取得に成功しました。その過程において、ヨーロッパや北米ではすでに10年以上前から2時間耐火が実用化されていることを知り、日本の、技術を売りにしている中小企業として、ぜひこの2時間耐火に取り組んでみたいと思った最初のきっかけでした。

しかしながら、現時点において日本の内装の分野では1時間耐火までの認定しか存在しないため、需要がない物を開発しても意味がないのではないか?という社内の疑問や、そもそも1時間耐火を実現させるだけでも精一杯なのに、2時間耐火など、見当も付かないような課題でした。その後、地道な基礎研究を重ねていた折、突如発生した東日本大震災が、本格的にこの事業に取り組む契機となりました。

海外に比べて日本は、建築構造自体の安全基準が大変厳しいので、現時点で内装は1時間耐火までで良しとされていますが、2020年の東京オリンピックや、今後の超高層ビル建設において、2時間耐火は必ず必要になると当社は思っております。なぜなら、東日本大震災のような未曾有の大災害が首都圏を襲った場合、たった1時間の耐火では、多くの人命や文化財、美術品、そして皆様の想い出の品々を守ることは不可能だからです。

これまで約20種類もの国交大臣認定を取得し、数多くの防火戸や防火窓を作ってきた当社だからこそ知っていることですが、世に出回っている殆どの1時間耐火製品(または20分耐火製品)は、1時間(または20分)を過ぎると間もなくしてどんどん燃えてゆきます。もしかしたら、毎回必ず1時間も持たないものもあるかもしれません。なぜなら認定を取得している各社は、製造コストや製品化後の運用性、そしてデザイン性の観点から、ぎりぎり1時間だけ持つように作っているのが実情だからです。いくら火事に強いとは云え 厚さ10cm以上の室内ドアとか、普通はないし使い勝手が悪すぎますよね。火災が発生した場合、それが一か所だけで燃えている火災ならば、恐らく1時間以内で救出される可能性は、今の日本では非常に高いと思いますが、もし、都心に直下型の地震が発生し、同時多発的に火災が発生した場合は、果たしてたった1時間足らずで、多くの人命を、本当に守ることができるのでしょうか?

日本人は、これだけ台風や地震などの自然災害が多い国土に暮らしているにも関わらず、もし、明日自分も自然災害に巻き込まれて死んでしまうかもしれないという危機感が、他国民に比べて非常に低い民族だそうですが、守らなければならない命と、守らなければならない物を守るために、これからは2時間耐火が必要であると当社は断言致します。そのために当社にできること、それはまさに2時間防火戸の開発でした。